ここでは、冬虫夏草の効果の1つである、抗ストレス作用について説明します。
冬虫夏草にはさまざまな効果や効能があります。民間療法としての冬虫夏草は耳鳴りやアトピー性皮膚炎、生活習慣病や疲労回復・勢力増進などに用いられてきました。ここでは冬虫夏草の抗ストレス作用について、考えてみましょう。
人間に対する臨床実験ではありませんが、ラットによる動物実験によって、冬虫夏草にはストレスを緩和する作用があることが確認されています。
実験では、ラットに強いストレスをかける(動けないようにし、水に浸す)と、何もしなかったラットはストレスによって胃潰瘍ができたのに対し、冬虫夏草を与えたラットは、ストレスがかかっても胃液の分泌が過剰にならず、胃潰瘍ができなかった、という結果が出ています。
また、東京で30年以上漢方による治療を行っている日本東洋医学会の岡田研吉氏は、著書『”末期ガン”完全消滅の驚異』で、冬虫夏草について「肺や腎臓の機能を高めながら、神経系統などにも効果を示す」「更年期の冷え、のぼせ、精神不安定、そして神経痛や自律神経のバランスの乱れを調整すると同時に、うつ病などの精神安定にも効果」と述べています。
冬虫夏草には、「メラトニン」というホルモンが含まれています。
メラトニンは人体にもともと存在している成分で、脳の松果体という部分から分泌される、脳内ホルモンです。
メラトニンは、別名「睡眠ホルモン」と呼ばれています。体内では通常夕方から夜にかけて分泌され、眠りを誘い、体内時計を正常に保つ働きを持っています。
アメリカでは、時差ぼけや不眠を改善するサプリメントとして親しまれているようです。
睡眠は、ストレスと密接な関係にあります。ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になるため、眠れなくなったり、疲れやすくなったりします。
睡眠が乱れると、脳が充分に休めず、ストレスや感情などの処理も追いつかなくなるため、さらにストレスが溜まっていく、という悪循環に。
冬虫夏草を摂取することでストレスが緩和されるのは、体内にメラトニンが補給され、不眠が改善されるからなのです。
また、冬虫夏草に含まれる必須アミノ酸の1つに「トリプトファン」という成分があります。トリプトファンは、セロトニンという神経伝達物質の材料です。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、人間の精神状態や心の安らぎなどに密接に関わっており、不足するとうつ病などの精神疾患の原因となることがわかっています。
さらにトリプトファンの他にも、同じくセロトニンの材料となるチロシン、セロトニンの働きを助けるビタミンB1など、冬虫夏草にはセロトニンに関連する成分が豊富。
以上のことから、冬虫夏草はストレスを緩和し、精神を安定させる効果があるとされています。
※個人の感想です。全ての方に同じ結果が出るとは限りません。
インターネット上にたくさん見られる、冬虫夏草摂取によるストレス緩和効果を実感している人の口コミを紹介します。
ストレス緩和のために冬虫夏草を取り入れるなら、手軽に摂れるサプリメントを活用するのが楽ちんです。ただし、安全かどうかを不安に感じたまま飲んでもストレス緩和につながらないため、冬虫夏草を選ぶ際は厳しい管理体制で栽培されているか、もしものときに製造元に問合せしやすい国内製造かどうかを確認しておくと良いでしょう。有効成分がどのくらい含まれているのかもチェックするようにしましょう。
冬虫夏草に興味が湧いてきた方のなかには、実際に摂取してみたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
冬虫夏草の摂取は、漢方のように煎じて摂取する・サプリメントとして摂取するなど、さまざまな方法で試しやすくなってきました。
ただ、国内に流通している冬虫夏草にはさまざまな種類があり、海外で製造されているものもあります。海外製造品の中には、まれに偽物や粗悪品が横行していることも…。
冬虫夏草を選ぶときは、厳しい管理体制で栽培された冬虫夏草を使っているか、もしものときに製造元に問い合わせしやすい国内製造のものから調べることをおすすめします。