このページではカイコ冬虫夏草(サナギタケ冬虫夏草)の認知症への効果・効能の説明と、カイコ冬虫夏草を摂取して認知症が改善したという報告を紹介しています。
※カイコに寄生してできるサナギタケ冬虫夏草は、カイコ冬虫夏草の一種です。
今までアルツハイマー型認知症には、病状の進行を遅らせる薬はありましたが、根本的に回復させる薬はありませんでした。しかし最近になって、冬虫夏草に認知症の改善効果があるとテレビで取り上げられ、大きな話題になっています。
冬虫夏草の認知症への効果を研究しているのは、岩手大学の特任教授で農学博士の鈴木幸一氏。40年以上もカイコの研究をしている鈴木教授は、2010年に「カイコ冬虫夏草に認知症の改善効果がある」という論文を発表しました。この論文では、カイコ冬虫夏草の煮汁をマウスに与えることで脳の委縮が回復したり、記憶を司る海馬が修復して記憶力が改善したと報告されています。
下記に、文部科学省のHPに残っている研究を紹介するPDFデータの一部を抜粋します。
マウス海馬修復因子の発見からヒト認知症薬を目指す
高齢化社会の到来により、認知症の増加が深刻な問題となっており、治療薬・機能性食品が期待されている。そこで私たちは、カイコ冬虫夏草の乾燥粉末抽出物からマウスの海馬を修復する因子を見出し、本因子が新規の生物活性分子であること、本因子の投与によるグリア細胞の増殖とそのメカニズムについて明らかにした。現在、前臨床的ヒト試験を終え、認知症薬の開発を目指している。
出典:岩手大学提供「マウス海馬修復因子の発見からヒト認知症薬を目指す」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/01/06/1372405_02_01.pdf
今はマウス実験を経て、認知症患者の方への臨床試験を実施しているそうです。この臨床試験に密着したテレビ番組では、実際に認知症の病状が改善していく様子が放送されていました。
近年、認知症の患者数は増加し続けており、10年後には、65歳以上の5人に1人、700万人以上の方が認知症を発症するという予測も出ています。
そもそも認知症にはいくつか種類があるのですが、カイコ冬虫夏草での改善効果が期待できるのは、最も症例数が多いアルツハイマー型認知症です。このアルツハイマー型は、脳にアミロイドベータというたんぱく質が溜まり、脳が委縮してしまうのが原因と言われていますが、このアミロイドベータが溜まるメカニズムは今もって解明されていません。つまり、特効薬はおろか発症過程すら解明されていないのが現状なのです。
カイコ冬虫夏草由来の認知症薬が実用化に至るまでは、
という工程が残されています。しかし、画期的な認知症改善薬の研究には、日本だけではなく世界中から大きな期待が寄せられています。
厚生省所管として設立された国立保健医療科学院の運営する「臨床研究情報ポータルサイト」で、冬虫夏草と検索すると、認知症と冬虫夏草をかけ合わせた臨床実験が、現在もいくつか実施中であることがわかりました。(※1)(※調査時期2021年12月)
今後の結果にも期待です。
※個人の感想です。全ての方に同じ結果が出るとは限りません。
テレビでも紹介されていた、鈴木教授の臨床試験の模様を紹介します。
冬虫夏草の中でもサナギタケという種類だけに含まれているコルジセピンという成分が注目されています。
コルジセピンはアメリカで行われたマウス実験により、メタボリックシンドロームのいくつかの症状を改善する可能性があると、実験結果が出ました。まだ人の実験結果は出ていませんが、臨床研究情報ポータルサイトで冬虫夏草と検索すると、冬虫夏草による血中動態の変化を確認する臨床が実施されています。(※1)(※調査時期2021年12月)
認知症や生活習慣病など、いくつかの症状へ効果が期待されているため、臨床結果の追加情報が発表されるのをチェックしましょう。
(※1)参照元:臨床研究情報ポータルサイト:https://rctportal.niph.go.jp/result
冬虫夏草に興味が湧いてきた方のなかには、実際に摂取してみたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
冬虫夏草の摂取は、漢方のように煎じて摂取する・サプリメントとして摂取するなど、さまざまな方法で試しやすくなってきました。
ただ、国内に流通している冬虫夏草にはさまざまな種類があり、海外で製造されているものもあります。海外製造品の中には、まれに偽物や粗悪品が横行していることも…。
冬虫夏草を選ぶときは、厳しい管理体制で栽培された冬虫夏草を使っているか、もしものときに製造元に問い合わせしやすい国内製造のものから調べることをおすすめします。