人間と同じように、犬もがんを発症します。人間が発症するがんは犬もかかると考えていいでしょう。
国内における犬の死因のトップはがんです。(※1)人間の寿命が延びたのと同じように、飼育法や獣医療の向上によって長生きする犬が多くなったことも、結果としてがんを発症する犬が増えている要因だと考えられています。
これもまた人間同様、犬ががんを発症した場合も早期発見・早期治療が肝要です。しかし犬は自ら自分の体調不良を伝えることができませんので、がんの初期症状を見逃しがちです。そうしてがんが進行し、気づいたときにはすでに治療が困難になっている場合も少なくありません。
犬のがんの中でも多いのは皮膚や乳腺のがんです。それ以外にも、肺がんや腹部臓器のがん、筋骨格系・神経系のがん、血液リンパ系のがんなどがあります。
ここでは代表的な犬のがんを取り上げていきます。
メラノーマ(悪性黒色腫)は色素(メラニン)をつくる細胞が悪性化した腫瘍です。皮膚と粘膜の接合部分に発生することが多く、犬の場合はメスよりオスの発生率が高く、部位では口の中に発生することが多くなっています。(※2)
免疫に大きく関与する肥満細胞が悪性化した腫瘍が肥満細胞腫です。「分化型」「中間型」「未分化型」の3種類があり、その中でも未分化型がもっとも悪性度が高いとされています。とくに高齢の犬に多く発症する傾向があります。
白血病は血液のがんです。白血球の一種であるリンパ球が悪性化して増殖する病気で、急性と慢性のタイプに分かれます。急性の場合は回復の見通しが立ちにくく、慢性の場合も予後が厳しいケースが多いのですが、数年単位で生存するケースもあります。
犬のがんに対する治療方法も基本的には人間と同じで、手術、抗がん剤、放射線療法の3つです。多くの場合はこれらの治療方法の中から選択するか、もしくは組み合わせて実施します。
抗がん剤に関しては、動物用の薬は開発されていないので人間用の抗がん剤を代用しているのが現状です。そして人間と同じように副作用があり、嘔吐や食欲減退、ふらつきや骨髄抑制などがその代表的なものです。
わんちゃんに対して継続的に抗がん剤を使用するのは、言葉が交わせないぶん様子を窺うことしかできず、もどかしい気持ちになる方もいるかもしれません。治療しても必ず長生きできるわけではないので、気が進まないということもあるでしょう。
サナギタケ冬虫夏草だけに含まれている「コルジセピン」には、抗腫瘍作用や免疫強化作用があります。
実際に抗腫瘍作用が明らかであるという論文も発表されています。
コルジセピンによって誘導される癌細胞のアポトーシスと増殖阻害
コルジセピンは3-デオキシアデノシンであり、伝統的な漢方薬である真菌Cordyceps militarisの主要な機能成分である。コルジセピンによる癌細胞の阻害を調べた以前の研究は、それが細胞アポトーシスを促進するだけでなく、細胞増殖を制御することを同定した。さらに、A3アデノシン受容体に結合するコルジセピンによる細胞増殖の阻害、G蛋白質の活性化、cAMP形成の阻害、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3β/β-カテニンの活性化の低下、サイクリンD1およびc-myc発現の抑制の分子機構が明らかにされている。コルジセピンによって細胞アポトーシスが誘導される最も重要なシグナル伝達経路は、カスパーゼ経路である。コルジセピンは、DR3受容体と結合し、その結果カスパーゼ-8/-3を活性化することによって、細胞アポトーシスを誘導する。まとめると、これらの研究は、コルジセピンが腫瘍細胞の増殖を制御するだけでなく、がん細胞のアポトーシスも誘導することができるため、コルジセピンが天然の医薬として使用され得ることを実証している。
出典:「コルジセピンによって誘導される癌細胞のアポトーシスと増殖阻害」上海スポーツ大学運動学部 ほか
http://pubmed.jukkou.com/report.php?id=7795d0e789347104e6726ce6cc8b9abb
※この論文はヒトを対象に試験を行ったものです。犬・猫にも同様の効果があるとは限りません。
これによると、サナギタケ冬虫夏草に含まれるコルジセピンががん細胞の増殖を抑制するだけではなく、がん細胞のアポトーシス(自然死)を誘導することがわかっています。つまり、コルジセピンはがんへの効果が期待できる成分です。
同じサナギタケ虫草菌でもタンクで培養した菌糸体ではコルジセピンは生成されず、昆虫生体培養でしか生成されないことが明らかになっています。
冬虫夏草サプリメントを選ぶ際には、コルジセピン含有の商品がないか探してみてください。
(※1)参照元:日本アニマル倶楽部「犬・猫 死亡原因病気TOP10」(2017年10月版):http://www.animalclub.co.jp/cms/wp-content/uploads/2017/10/5e985559503900fb567e2b39fb048782.pdf
(※2)参照元:みんなのどうぶつ病気大百科:https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/962
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