最初に猫白血病ウイルスに感染すると、発熱や活動性の低下、リンパ節の腫れ、白血球や血小板の減少、貧血などが起こります。これらは急性期の症状で、感染してから2~4週間程度でみられます。(※1)血液検査でウイルスの陽性反応が出るのもこの頃からで、感染直後に陽性反応が出るわけではありません。
検査を一度受けて陰性だったとしても、感染が疑わしい場合は時間をおいて再度検査を受けたほうがいいでしょう。感染しても猫が感染をはねつけて発症しない場合もあります。 急性期の症状はいったん治まりますが、ウイルスが排除されているとは限らず、感染が続いているかどうかは外見では判断できません。成猫の場合はウイルスを排除できる場合が多く、その後は症状がみられることなく回復します。
一方で感染が持続した場合、その多くはリンパ腫や白血病などの血液のがんや貧血、腎炎、口内炎、流産や死産など多様な症状を起こします。飼い主が気づかないまま急性期の症状が治まることも多く、いつ感染したのかわからないということもあります。
猫白血病ウイルスは唾液や尿、涙、母乳、血液、胎盤を介して感染します。空気感染はあまり多くありません。特に唾液に多くウイルスが存在するため、猫同士のケンカによる外傷や、口・鼻の直接的な接触がもっとも多い感染源だと考えられます。
このウイルスは世界中の猫に感染が認められており、特に屋外の猫は家猫より感染率は高くなります。猫を屋内で飼育することが勧められている大きな理由です。
年齢的には1~6歳くらいの猫に多く、3歳前後でもっとも発症率が高くなります。(※2)
感染した猫白血病ウイルスを直接退撃退して排除する治療法は、残念ながら今のところありません。多くの場合は症状を和らげるための対症療法が選択されます。
貧血が重症の場合は輸血を行なうこともありますが、一般的には抗がん剤やインターフェロン製剤、抗生物質などを症状に合わせて組み合わせます。免疫力が低下しているので、健康であればかからない日和見感染を防ぐために生活環境や栄養バランスの改善が必要で、猫にストレスを与えないことも大切です。
無症状の場合でも、栄養をしっかり摂ってストレスをかけない飼育が重要です。余計なストレスを防ぐために避妊や去勢を行なうこともあります。体調に大きな変化がなくても定期的な検診を受けるべきで、状態によってはウイルスの検査も受けましょう。
感染が持続している時期は、それぞれの症状に合わせた治療を行なっていくしか方法がありません。食事が摂れなければチューブによる給餌、水分が摂れなければ点滴、口内炎には痛み止めなど、さまざまな対症療法を実施します。
前述の抗がん剤に関しては、猫用の薬剤は開発されていないので人間用の抗がん剤を代用しているのが現状です。そして猫も人間と同じように抗がん剤の副作用があり、嘔吐や食欲減退などさまざまな症状がみられます。
飼い主にとって愛猫の治療中の姿を見るのは、つらいことでしょう。しかし、病気と闘う猫にとって飼い主は唯一頼れる存在。飼い主にそばに寄り添ってもらえれば、愛猫も治療を頑張れるはずです。
「冬虫夏草」と一口にいっても、さまざまな種類があります。なかでも、サナギタケ冬虫夏草には、「コルジセピン」と呼ばれる抗腫瘍作用、免疫強化作用がある核酸系の物質が含まれています。実際に抗腫瘍作用が明らかであるという論文も存在しています。
コルジセピンによって誘導される癌細胞のアポトーシスと増殖阻害
コルジセピンは3-デオキシアデノシンであり、伝統的な漢方薬である真菌Cordyceps militarisの主要な機能成分である。コルジセピンによる癌細胞の阻害を調べた以前の研究は、それが細胞アポトーシスを促進するだけでなく、細胞増殖を制御することを同定した。さらに、A3アデノシン受容体に結合するコルジセピンによる細胞増殖の阻害、G蛋白質の活性化、cAMP形成の阻害、グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3β/β-カテニンの活性化の低下、サイクリンD1およびc-myc発現の抑制の分子機構が明らかにされている。コルジセピンによって細胞アポトーシスが誘導される最も重要なシグナル伝達経路は、カスパーゼ経路である。コルジセピンは、DR3受容体と結合し、その結果カスパーゼ-8/-3を活性化することによって、細胞アポトーシスを誘導する。まとめると、これらの研究は、コルジセピンが腫瘍細胞の増殖を制御するだけでなく、がん細胞のアポトーシスも誘導することができるため、コルジセピンが天然の医薬として使用され得ることを実証している。
出典:「コルジセピンによって誘導される癌細胞のアポトーシスと増殖阻害」上海スポーツ大学運動学部 ほか
http://pubmed.jukkou.com/report.php?id=7795d0e789347104e6726ce6cc8b9abb
※この論文はヒトを対象に試験を行ったものです。犬・猫にも同様の効果があるとは限りません。
これによると、サナギタケ冬虫夏草に含まれるコルジセピンががん細胞の増殖を抑制。さらに、がん細胞のアポトーシス(自然死)を誘導することがわかっています。つまり、コルジセピンはがんへの効果が期待できる成分です。
同じサナギタケ虫草菌でもタンクで培養した菌糸体ではコルジセピンは生成されないという結果もでています。昆虫生体培養でしか生成されないのです。
もし、愛猫の病気の予防の一環として何か与えたい場合は、コルジセピンを含む冬虫夏草のサプリを検討してみてはどうでしょうか。
(※1)参照元:猫白血病ウイルス感染症:http://www.catvirus.jp/home/felv/infection.html
(※2)参照元:三鷹・新座獣医科グループ:http://www.pet-hospital.org/cat-006.htm#:~:text=年齢的には1,と推定されています。
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冬虫夏草の摂取は、漢方のように煎じて摂取する・サプリメントとして摂取するなど、さまざまな方法で試しやすくなってきました。
ただ、国内に流通している冬虫夏草にはさまざまな種類があり、海外で製造されているものもあります。海外製造品の中には、まれに偽物や粗悪品が横行していることも…。
冬虫夏草を選ぶときは、厳しい管理体制で栽培された冬虫夏草を使っているか、もしものときに製造元に問い合わせしやすい国内製造のものから調べることをおすすめします。