ここでは冬虫夏草の肺病や肝臓病、腎臓病に対する治療法について説明しています。
※このページは漢方医学における冬虫夏草の利用法を記載しているだけで、個人での漢方薬の処方・使用を推奨しているものではありません。
医薬品として扱われる漢方を一般人が調合・使用することは健康被害を引き起こす可能性もあるため、漢方に詳しい医師・薬剤師へ相談のうえ服用するようにして下さい。
日本では医療現場で冬虫夏草が使われることはまだ少ないのが現状ですが、中国の漢方医学においては冬虫夏草が病気の治療のために処方されることが少なくありません。漢方における冬虫夏草の実際の利用法を見てみましょう。
漢方医学では慢性呼吸器疾患の原因を肺虚・腎虚によるものとして、これを補うために冬虫夏草の処方を行っています。慢性気管支炎や咳、肺気腫、喘息などはすべて肺虚・腎虚によるもので冬虫夏草の咳止め作用、抗炎症作用がこれらの症状を改善すると考えられています。
【冬虫夏草豚肺臓スープ】
原料:豚肺臓250g/冬虫夏草10〜15g
【冬虫夏草黄茂エキス】
原料:冬虫夏草3g/黄茂20g/辛夷15g/陳皮9g
【冬虫夏草蛤蚧エキス】
原料:冬虫夏草3g/蛤蚧(オオヤモリ)3g/薬用人参1g
中国の薬学辞典「本草綱目拾遺」には、冬虫夏草が肝硬変などによる腹水・腹腫を治療できるということが書かれています。冬虫夏草は免疫機能を調節して代謝を改善するので、肝細胞の修復と再生が促進されると考えられるためです。多種類の免疫機能を異常化させるB型肝炎や肝硬変、脂肪肝の治療には特に作用が顕著とも説明されています。
【冬虫夏草柴胡エキス】
原料:冬虫夏草6g/柴胡10g/白芍12g
【冬虫夏草スッポンエキス】
原料:冬虫夏草4g/スッポン15g/柴胡6g/丹皮10g
中国の漢方医学では古来から冬虫夏草には「潤肺・補腎」という効能があるとされてきました。現代の化学的な分析からも冬虫夏草には腎臓組織の修復・保護作用があることが解っています。臨床的にも冬虫夏草の服用によって腎炎や高脂血症、慢性腎機能衰退、糖尿病性腎症、尿路感染症で改善作用が見られた報告があります。糖尿病腎症においては中国の論文を翻訳したものがネット上でも一部情報が上がっている為、こちらも参考になるかもしれません。一部の冬虫夏草に含まれるコルジセピンという成分の糖尿病腎症への変化についてまとまっています。(※1)
(※1)参照元:J-GLOBAL:
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002252450182775
【冬虫夏草黄茂白術エキス】
原料:冬虫夏草6g/黄茂30g/白術15g
【冬虫夏草百合洋参エキス】
原料:冬虫夏草3g/百合3g/西洋人参2g
【冬虫夏草単品】
原料:冬虫夏草
冬虫夏草に興味が湧いてきた方のなかには、実際に摂取してみたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
冬虫夏草の摂取は、漢方のように煎じて摂取する・サプリメントとして摂取するなど、さまざまな方法で試しやすくなってきました。
ただ、国内に流通している冬虫夏草にはさまざまな種類があり、海外で製造されているものもあります。海外製造品の中には、まれに偽物や粗悪品が横行していることも…。
冬虫夏草を選ぶときは、厳しい管理体制で栽培された冬虫夏草を使っているか、もしものときに製造元に問い合わせしやすい国内製造のものから調べることをおすすめします。