よくわかるやさしい冬虫夏草ガイド
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民間療法や漢方、補完・代替医療に冬虫夏草が使われる理由がよくわかる

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フコイダン・アガリクスとどう違うのか

ここでは冬虫夏草とフコイダン、アガリクスの効能を違いを説明しています。

ガンの補完・代替医療を比較

アガリクスやフコイダンは、冬虫夏草とともに医療現場でガンの補完・代替医療として利用されていることが知られています。また市販のサプリメントにも冬虫夏草やアガリクス、フコイダン含有のものが多く見られますが、どれも過剰に効果を宣伝したものが多く実際の効能については不明なのが実情です。ここでは厚生労働省の評価などを参考に、それぞれについての客観的な違いを見てみましょう。

アガリクス

別名メマツタケ、カワリハラタケ、ヒメマツタケと呼ばれる、松茸に似た香りの強いキノコです。日本には1965年にブラジルから輸入されて栽培が始まりましたが、菌株の種類が多く栽培条件によっても成分が異なるので特性に差異が多いことが問題点とされています。抗ガン効果や免疫力向上の効果があるとされることからガン患者の代替医療として最も多く用いられていますが、菌株などによって品質に大きな違いがあるため厚生労働省から注意喚起されています。

アガリクスの成分

他のキノコ類と比較するとの含有量が43%と多いのが特徴です。多糖類やビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、B6、ビオチン(B7)、パントテン酸、葉酸などビタミンB群と、アミノ酸、ビタミンD、マグネシウム、カリウムなどを含むとされていますが、菌株や栽培環境によって成分に大きな違いがあるため確実性はありません。

またNK細胞(癌細胞を攻撃して増殖を抑制する免疫細胞)を活性化するβグルカンを含みますが、アガリクスに含まれるβグルカン量は製品によって異なることが解っています。毒性(発ガン性)があるアガリチンを比較的高く含有する製品もあることから、厚生労働省では平成18年に製品名を公表して注意喚起を行っています。

アガリクスの危険情報

アガリクスを使用した66歳の卵巣がん患者に発熱や肝機能障害が見られ、肝炎と診断された例があります。患者がアガリクスの使用を中止すると肝機能が正常に戻ったと報告されています。また58歳女性の乳がん患者でもアガリクスの使用中に急性肝炎を発症、入院7日目に劇症肝炎のため死亡した例があります。48歳女性の乳がん患者も同様にアガリクス使用中に食欲不振や吐き気を訴えて肝機能異常で入院、6日後に劇症肝炎で死亡しました。

他にもアガリクスを含有した製品を摂取したことによる因果関係によると思われる健康被害や死亡例は、多数報告されています。全ての製品で危険性があると断定することは早計ですが、製品によって成分にばらつきが大きいアガリクスの使用には充分な注意が必要であることは間違いないと言えるでしょう。

フコイダン

フコイダンは昆布やワカメなどの褐藻類の「ぬめり」成分(細胞間粘質多糖)です。フコイダンには高血圧やアレルギーを抑制して肝機能を改善する効果、抗ウィルス・抗菌作用、コレステロールを下げる、ガンに良いなどの様々な言い伝えがありますが、有効性については臨床的に充分なデータがないのが実際のところです。

現在までに確認されている予備的な有効性データとしては、胃腸障害患者にフコイダンを2週間摂取させた結果改善が見られたと言う例や、高齢者における免疫細胞の増加が確認されています。動物実験では白血病細胞を移植したマウスで、生存期間が延長したという報告もあります。

フコイダンの成分

フコイダンはL-フコースを主要構成糖として、硫酸化フカン(硫酸化多糖類)が多く含まれていることが特徴です。フコイダンを硫酸化フカンと呼ぶべきだとの説もあります。海藻由来の硫酸化フカンは1985年以来植物学者の間でフコイダンの名称で呼び習わされてきましたが、ナマコからも同じ成分が見付かったことでフコイダンの名称が動物学・植物学共通の硫酸化フカンに統一された経緯があるためです。

フコイダンには抗血液凝固作用があるため脳梗塞や心筋梗塞を予防する働きがあると言われていますが、動物実験では何例かの報告があるものの23歳〜58歳の健常成人20人における単盲検プラセボ比較試験では抗血液凝固作用は認められなかったという報告があります。

フコイダンの危険情報

フコイダンについては特に危険情報が寄せられていません。カゴメ昆布由来のフコイダンで遺伝毒性検査が行われた結果も、陰性だったという報告があります。

冬虫夏草

冬虫夏草は冬虫夏草菌(虫草菌)が昆虫に寄生して昆虫体内に菌糸の固まりである菌核を形成、時期が来ると昆虫体外に子実体を形成したものです。冬のあいだは昆虫の姿で夏になると子実体を伸ばして植物(草)の姿になることから冬虫夏草と呼ばれています。

中国における冬虫夏草はコルジセプス・シネンシスという虫草菌(冬虫夏草菌)が海抜3,000m以上の高知でコウモリガの幼虫に寄生してできた1種のみに限定されていますが、日本では他の虫草菌類も総称して冬虫夏草と呼んでいます。中国の冬虫夏草は産出量も少なく非常に高価ですが、日本では近年の研究によって冬虫夏草と同じ種類のコルジセプス・ミリタリス(サナギタケ)の昆虫生体培養に成功したことから医療現場での補完・代替医療やサプリメントとしての活用が広く行われるようになりました。

冬虫夏草の成分

冬虫夏草には免疫機能を活性化するβグルカンや抗酸化作用があるエルゴステロール、冠動脈を拡張して血圧を下げるマンニトールなど、キノコ類特有の成分が豊富に含まれています。また体内で発生する活性酸素を瞬時に還元して無害化するSOD(Super oxide dismutase:活性酸素分解酵素)の働きで脳卒中や心筋梗塞、がん、糖尿病、動脈硬化などを引き起こす生活習慣病の予防・改善に役立つと考えられています。

特筆すべきは日本で培養されたサナギタケ冬虫夏草だけに含まれる特有の成分コルジセピン(コルディセピン)です。コルジセピンは1951年K.G.Cunninghamによって発見されて以来、医療現場でガンの代替医療に用いられエーリッヒ腹水ガンや黒色ガン、肺ガン、急性リンパ性白血病、白血病などで抑制作用、抗腫瘍作用が多く報告される注目の抗ガン成分です。

コルジセピンの抗ガン作用は一般の抗ガン剤とは全く異なるもので、正常な細胞を傷つけずに悪性細胞の増殖を抑制するため予後が良好な特徴があります。現在、アメリカの国立がんセンターとボストン大学が共同で急性白血病とHIVの治療薬としてコルジセピンの臨床実験を行っていますが、すでに最終段階のステージIIIに上がっているため新薬として認定されるのも遠くはないでしょう。

冬虫夏草の危険情報

厚生労働省によると冬虫夏草は経口摂取で適切に使用する場合「安全性が示唆されている」と発表されています。ただし妊娠中や授乳中の安全性については充分な情報がないため、摂取は避けた方が良いとされています。

国立東北大学大学院薬学研究科では冬虫夏草の毒性試験が行われましたが、マウスに対して3種類の容量の冬虫夏草を14日間与え続けた結果、体重変化は冬虫夏草を与えなかった検体と変わらず急性的な致死や衰弱、臓器の有意な差異は認められなかったということです。厚生労働省の評価と東北大学の試験結果からは、冬虫夏草は経口摂取する限り人体に悪影響を与えるものではないことが解ります。

効果と安全性からの考察

以上のことから考えられることはアガリクスはガンなどの補完・代替医療として効果があるにしても危険性が高く、フコイダンは安全なものの病気に対する効果が定かではありません。安全性が確認されていて抗ガン作用・抗酸化作用・活性酸素分解作用など多くの作用が認められている冬虫夏草は、医療現場での補完・代替医療に最適な素材だと言えるでしょう。

冬虫夏草を代替医療として使用している病院やクリニックはまだ多いとは言えないのが実情です。多くの危険性が示唆されているアガリクスより、効果と安全性が確認されている冬虫夏草はもっと多くの医療現場で活用されるべきだと考えられます。

 
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